松枯れと土中環境

全国的に広がるナラ枯れ、マツ枯れ。その原因は「虫」だという声があります。 行政は樹木医の指導のもとで殺虫剤の散布に走るが、それに「待った」をかけるのが造園家の高田宏臣さんです。

実際に松枯れのストップの実績も語られています。

【第66回】森林の再生は「土中環境」

「松枯れは元気な松にもおきる」という問いに、「元気な松というのは葉が緑だからでは判断できない」と水や空気の滞りを解消すると松枯れは止まる。農薬散布は土をパサパサにしてしまい、かえって状況を悪くすると。。。



ナラ枯れ、シイ枯れの現場から~高木枯れと土中環境

土中環境の荒廃とは、土中の空気と水の流れの停滞、あるいは不健全化が原因となって菌糸の後退、土壌団粒構造の崩壊と土中の目詰まり、水の動きを多彩化するのに不可欠な毛細管状の水脈の分断、それによる乾燥や土中の水の停滞、還元力の喪失、根系の後退と、土、水、植物はじめ生物の営みとの連動によって進行します。
雨が降っても水が浸み込まない、そうなるともはやそこは高木を中心とする森林が生育できる環境ではないのです。
キクイムシは一般に衰弱して樹液の流れの悪くなった個体に穿孔し枯れるべき木を枯らして森の更新を促すのが彼らの仕事と言えるのです、
殺虫によって、樹木は延命しますが、その樹木の置かれた環境そのものを改善しない限り、キクイムシの穿孔・薬剤注入と、その繰り返しの果てにますます衰退してゆくという悪循環に陥る、それはまるで、副作用の強い薬で延命させる現代医療のようで、その悪循環の果てに環境はますます荒廃していきます。
ただ、現代、高木枯れの現象を単に病虫害特定に帰結することに集中して環境全体を読み取ろうとしなければ、こんなに誰にでもはっきりとわかることすら見落とされてしまう、これが現代社会の現実であり、ここから視点を取り戻していかねばなりません。
一日も早く、根本的な問題に気づき、正しい対処へと方向転換していかねば、われわれはいのちを支える環境の豊かさも国土の安全もまた。失ってしまうことでしょう。 ▶︎コラムより抜粋

 樹木の健康と「病虫害」を考える –新潟市海岸松林の再生事例より

1回

2回

2回

3回

3回


急速な高木枯れの進行する箇所は、土中の通気浸透性、貯水機能の劣化と植物相の単純化、林床の裸地状態化が見られます。
マツ枯れの本質的な原因は、決して単純な病虫害飛来などではなく、木々が健康に生きることができなくなってしまった環境そのものにある
環境の崩壊には必ず、見えない土中環境の変化がその背景にあります。なぜなら、地下と地上の環境は不二一如のものであり、地上の様相は地下の状態との相似形だからです。 人間だって、心身内部の健康状態が、肌艶や表情、顔色に表れる。それとまったく同じことなのでしょう。
つまり、見えない地下の環境が健康であれば、地上の木々も健康に生きられるということで、不健全な土中環境になってしまったその根本的な原因を見出してそこを排除するのではなく、全体の循環がよくなってゆくように、改善してゆくという、そんな視点こそが今、必要なのだと確信します。 樹木の健康と「病虫害」を考えるより抜粋

 地球守 高田広臣 コラムや動画

気象変動で起こる災害の原因、現在土木のあり方から起こる災害の原因、又、夏の暑さを和らげる樹木の力や樹木の健康についても、全ては土中の水の流れ、空気の流れ、微生物の力が大切と。。

エネルギーと命の法則

エネルギーと命の法則

水や太陽の光といった自然の恵みは本来、あまねくいのちに平等に降り注がれるもの。人が足るを知り、独占しようとさえしなければ、永遠に恩恵をもたらしてくれる。それがいのちのエネルギーの本質なのだ。 コラムから

健康立国を実現するために私たちができること

健康立国を実現するために私たちができること

大地の健康・人の健康など高田広臣さんの講演動画や環境再生セミナーやフィールドワークなどご紹介します。


訪問者がいなかった沖ノ島の園路がどのように綺麗になったのか、台風被害を受けた宇賀明神神社や倒されてしまった樹齢300年の御神木の原因など


 土中環境 高田広臣著

有る様で無かった「環境視点」を伝えてくれる名著筆者は、古来より先達たちが実践と経験から作り上げてきた様々な土木や造園技術が、自然の仕組みを応用し、自然と一体となる哲学を持って地球環境に寄り添いながら高めてきたものだけが、未来永劫に残り続けることを科学的視点をもって説明してくれます。地球上に文明社会という新たな環境を構築しようとする時、デザイン、利便性、コスト面を重視して、地球本来の環境バランス(自然)の継続を無視してきたことは否めない。その結果、自然災害が頻発していることに気付かされる。自宅の下の土中環境が劣化していたら、その上に住む家族が未来永劫に健康的に暮らせるだろうか?土中環境が、土中微生の環境=地球の環境であることを改めて意識させてくれて、その意識で一人一人の行動を変えていくことが、新型コロナや気象変動をも含む環境問題の解決に向かうはじめの一歩となるのかもしれないという思いにさせてくれました。
自分のような一般人には、技術専門書の要素が強い気もしますが、説明図のスケッチも素敵で分り易く、有る様でなかった名著と呼べる書です。

 AMAZON カスタマーレビューより

 ネットワークでつながる森の美しさ - スザンヌ・シマード

森林伐採は全ての列車、航空機、自動車をあわせたよりも多くの温室ガスを発生させます。この地球温暖化の原因に対して私たちができる事は何でしょうか?高田広臣さんの土中環境の本でも紹介されています。スザンヌ・シマードが私たちの神経や社会のネットワークにも似た森林の複雑な共生ネットワークとそのつながりの重要性について語られます。  字幕をONにされてどうぞご試聴下さい。

Darum ist ein Wald so viel mehr als nur viele Bäume(直訳 だからこそ、森は単なるたくさんの木ではありません)森と菌の共生関係の動画


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